読書家になりたい

ボキャ貧が読んだ本の感想とか書くだけのブログです。

【読書感想】黒牢城

ミステリー小説の感想を人に伝えるとしたら、「面白かった」か「面白くなかった」だけで良いような気がします。

とても面白かったです。以下、蛇足のような感想を。

 

ミステリー×時代小説

戦国の世の「荒木村重」と「黒田官兵衛」を主軸としたお話です。今まで時代小説に触れたことがなかったので、若干読み進めるのに苦労しました。出てくる用語をなんとなくの想像で読み進めたり、登場人物の名前も聞き馴染みのない漢字ばかりで「この人だれだっけ?」となりながら読み進めました。

でも、米澤穂信さんお得意のミステリー要素は気になるので、どんどん先に進めました。

 

個人的に著者の作品が好きな理由に、主要人物に限らず、登場人物がよく作り込まれているところがあります。何かのインタビューで、実際に著者が語っていたことです。

「登場人物を考えるときに、あなたはどういう人間ですかと何回も繰り返し問う」、「この人はどういう人で何を大事にし、どういう場面でどう思い何を言うのか」毎回考えているそうです。

 

時代が違えば価値観や思想は異なります。今回の作品も、戦国の世であるからこその思想、それに伴った犯行の動機、物語になっています。

良質なミステリーと時代小説、両方を読み終えた時の満足感でいっぱいな読後でした。

脳神経科学から分かる、自己認知の重要性 「BRAIN DRIVEN」

こちらの本読みました。kindleUnlimitedで読めます。

ビジネスで用いられることの多い「モチベーション」「ストレス」「クリエイティビティ」を、脳神経科学の分野から「脳の中で何が起こっていて、それはなぜ起こるのか」解明されています。

 

意識して自分に注意を傾けないと、自分のことは理解できない

まず前提として、モチベーションやストレス、クリエイティビティを理解していくうえで大切なことがあります。「メタ認知」(自分を客観視すること)です。

皆「自分のことなら自分が一番理解している」と思いがちですが、脳は意識的に注意を傾けないと、それが重要な情報だと認識しません。例えば、「家から会社までの通勤途中にある電柱の数」を正確に答えられる人はいるでしょうか。何千回と通った道でも、意識して見ようとしなければ思い出すことはできません。

それは自分にも言えることです。意識的に自分について振り返る習慣を持たないと、脳に自身の情報は書き込まれません。

 

自分の状態を認識する

それに、モチベーションを例にすると「やる気になっている状態」と「やる気になっている自分を認知した状態」で使われている脳機能は違うそうです。

例えば、何か欲しいものがあったとき、それに対して自分を「ぐっ」と向かわせる無意識的な内側の反応があるはずです。多くの場合それが認識されることはないですが、その「ぐっ」となっている自分の状態を認識する脳の仕組みと、自分を「ぐっ」とさせる脳の仕組みは異なるということです。

 

自分の中の「ぐっ」という無意識な反応は、主に経験に左右されるので、人によって何に反応するか異なります。

つまり、自分が日々どんなことにモチベーションを感じているか、ストレスを感じているか振り返るのが大切です。クリエイティビティだって、今の自分の価値観や情報が整理されていると、今の自分にない新しい発想に敏感に反応できます。そうやって、意識的に自分に注意を向けていると、記憶に刻み込まれ、「ぐっ」となっている自分をより鮮明に認識しやすくなるのです。

 

以上、超簡潔に自分の中でこちらの本を整理していきました。これ以外にも重要な情報たくさん出てきますが、まだ一周読んだだけでうまく整理ができていないので、ここら辺で終わります。

個人的にはちょっと前から日記をつけていて、それが意外と続いているんですけど、より日記のモチベーションが上がったのが良かったです。

【読書感想】ラブカは静かに弓を持つ

一時期世間で話題になった「音楽著作権協会」と「音楽教室」の著作権使用料問題を題材にしています。感情的な面では音楽教室に味方したい問題ですが、こちらの本に著作権協会の法解釈、言い分が紹介されていて、個人的に納得できる部分もありました。

そもそも、何かと批判されやすい著作権協会ですが、音楽家の権利を守るという面では必要な団体です。これがないと新しい音楽家は生まれてこず、音楽は存続しませんからね。

 

信頼は怖れの向こう側にある

こちらの本では、そういった「理論的な正しさ」と「感情」の対比を感じました。正しさは人を納得させますが、人を動かすのは感情です。どちらの方が大切ということはないですが、特に感情から派生した人間関係、信頼が重きに描かれています。

信頼を築くには長い時間がかかるし、少しのことですれ違いが起こる脆いもので、人を怖れる気持ちを持ってしまうこともあります。けれど、人間関係とはそうした怖れの向こう側にあるものであり、人はその怖れを乗り越えることができるのだということを感じさせてくれました。

 

それに、人を結びつけたり、勇気を与えてくれるものは色々ありますが、こちらの本は音楽の魅力で溢れています。全くの素人だけど、音楽っていいな、楽器っていいなと思いました。読み終えてまず、youtubeでチェロの音色を検索していました。