読書家になりたい

ボキャ貧が読んだ本の感想とか書くだけのブログです。

【読書感想】黒牢城

ミステリー小説の感想を人に伝えるとしたら、「面白かった」か「面白くなかった」だけで良いような気がします。

とても面白かったです。以下、蛇足のような感想を。

 

ミステリー×時代小説

戦国の世の「荒木村重」と「黒田官兵衛」を主軸としたお話です。今まで時代小説に触れたことがなかったので、若干読み進めるのに苦労しました。出てくる用語をなんとなくの想像で読み進めたり、登場人物の名前も聞き馴染みのない漢字ばかりで「この人だれだっけ?」となりながら読み進めました。

でも、米澤穂信さんお得意のミステリー要素は気になるので、どんどん先に進めました。

 

個人的に著者の作品が好きな理由に、主要人物に限らず、登場人物がよく作り込まれているところがあります。何かのインタビューで、実際に著者が語っていたことです。

「登場人物を考えるときに、あなたはどういう人間ですかと何回も繰り返し問う」、「この人はどういう人で何を大事にし、どういう場面でどう思い何を言うのか」毎回考えているそうです。

 

時代が違えば価値観や思想は異なります。今回の作品も、戦国の世であるからこその思想、それに伴った犯行の動機、物語になっています。

良質なミステリーと時代小説、両方を読み終えた時の満足感でいっぱいな読後でした。