読書家になりたい

ボキャ貧が読んだ本の感想とか書くだけのブログです。

コミュニケーションに悩む人の必読書 「LISTEN」

自分はコミュ障の自覚があるので会話やコミュニケーションについて書かれた本を色々と読んできましたが、ダントツでこちらの本が良かったです。

「会話がうまくなりたい」という思いの背後には、「相手に好印象を持たれたい」という思いが隠れていますが、こちらの本読むともっと深いところで「相手の言葉や感情に共感する会話がしたい」と思えました。

 

現実の会話はめんどくさいが、ネット上では孤独は薄まらない

スマホが普及した現代では世界中の人とつながれるはずなのに、孤独を抱えた人は増えています。なぜなら、ネット上で心の通ったコミュニケーションというのは難しいからです。

 

まず、現実での会話はめんどくさいことが多すぎます。こちらが知りたいこと以上の話や、どう反応したらいいか分からない話をされると困ります。反対に、SNSなら見たい情報を自分で決められますし、面白くなかったり不快な情報は無視やブロックができます

けれど、つながるというのは双方向です。考えや感情を話せる相手がいて、自分も相手の考えや感情を聞く必要があります。SNSで自分の話したいことばかり話し、聞きたい情報だけ聞くだけでは心が通うはずはありません

 

ただ、現実の親しい人との会話だからといって心が通っているとも限りません。

例えば、夫婦仲が悪くなる原因に「相手が何を言うか分かっているから」という思い込みがあります。「近接コミュニケーション・バイアス」というそうですが、相手のことならもう理解していると話を聞かずにいれば、すれ違いが起こるのは当然のことです。出会った日とずっと同じ人間なんていなくて、人の考えは日々変わるのですから。

 

相手が何を求めているのか考え、見ている景色や感情を想像しながら聞く

結局、この本を一言でまとめると「相手の話をしっかり聞きましょう」で終わります。話し手の語る内容を「自分の考えと合っている・違う」などと頭の中で判断しながら聞くのではなく、聞き手がいったん自分の判断を留保して話し手の見ている景色や感じている感覚に意識を集中させて聞く姿勢です。

会話をする際は「なぜ相手はこの話を自分にしてくれているのだろう?」と考えれば、相手が心の底で共感してもらいたい感情に気付けるはずです。意見の合わない相手でも、まずいったん相手の話を聞き、なぜそのような考えに至ったか知ることができれば、自分の成長にもつながります。

 

コミュニケーションに悩んだとき、まず相手の話を「聞く」ことの大切さを真に理解させてくれる素晴らしい本でした。