読書家になりたい

ボキャ貧が読んだ本の感想とか書くだけのブログです。

【読書感想】ラブカは静かに弓を持つ

一時期世間で話題になった「音楽著作権協会」と「音楽教室」の著作権使用料問題を題材にしています。感情的な面では音楽教室に味方したい問題ですが、こちらの本に著作権協会の法解釈、言い分が紹介されていて、個人的に納得できる部分もありました。

そもそも、何かと批判されやすい著作権協会ですが、音楽家の権利を守るという面では必要な団体です。これがないと新しい音楽家は生まれてこず、音楽は存続しませんからね。

 

信頼は怖れの向こう側にある

こちらの本では、そういった「理論的な正しさ」と「感情」の対比を感じました。正しさは人を納得させますが、人を動かすのは感情です。どちらの方が大切ということはないですが、特に感情から派生した人間関係、信頼が重きに描かれています。

信頼を築くには長い時間がかかるし、少しのことですれ違いが起こる脆いもので、人を怖れる気持ちを持ってしまうこともあります。けれど、人間関係とはそうした怖れの向こう側にあるものであり、人はその怖れを乗り越えることができるのだということを感じさせてくれました。

 

それに、人を結びつけたり、勇気を与えてくれるものは色々ありますが、こちらの本は音楽の魅力で溢れています。全くの素人だけど、音楽っていいな、楽器っていいなと思いました。読み終えてまず、youtubeでチェロの音色を検索していました。